今回は株式投資で儲けるために、「需給の基本と見方」について解説します。
株価は「業績が良い＝株価が上がる」というイメージがある一方で、「業績が良いのに株価が下がる」という光景も決して珍しくありません。
こうした現象の理由の1つが「需給（じゅきゅう）」です。
これは株価に直接影響する重要な要素であり、多くのプロ投資家がファンダメンタルズやテクニカル以上に重視する局面もあります。
そこで本記事では、需給について初心者の方でも理解できるように、以下のステップに沿って解説します。
☑需給とは何か
☑どうやって見ればいいのか
☑実際に投資でどう活かせるのか
株式投資の知見を深めたい方は、ぜひご覧ください。
なぜ株価は需給で動くのか？
「良い会社の株は上がる」というのは半分正解ですが、実際の株価は売買のバランス（＝需給）によって日々動いているのが現実です。
たとえば、いくら優良企業でも、以下のような状況である場合株価が下落することも大いにあり得ます。
☑大口投資家がポジションを解消している
☑決算後に材料出尽くしで利確が入っている
つまり、「今この株を買いたい人が多いか、売りたい人が多いか」＝需給のバランスこそが、株価を短期的に動かす原動力です。
「需給」とは何か？初心者向けに基本から解説
需給とは、文字通り「需要と供給」を意味します。株式市場における需給は、買いたい人（需要）と売りたい人（供給）のバランスです。
・売りたい人が多い → 株価は下がりやすい
このシンプルな原則に従って、需給の変化が価格に直結するのです。
株式市場における需給を左右する主な要因
需給は目に見えづらいものですが、いくつかの要素をチェックすれば、ある程度の予測は可能です。以下は、需給に影響を与える代表的な要素です。
1.信用取引の残高（信用買い残・売り残）
信用買い残が多いと「将来的に売り圧力になりやすい」と見なされます。逆に、信用売り残が多いと、踏み上げ（買い戻し）によって株価が上昇する可能性も。
2.株主構成（浮動株の少なさ）
株主構成を見ることで、どれだけ株が市場に流通しているかがわかります。
大株主の保有比率が高く、個人投資家の持ち株が少ないと、ちょっとした買いでも価格が動きやすい状態です。
3.大量保有報告や空売り報告
機関投資家やファンドの売買は需給に大きな影響を与えます。
5％以上の株式を保有・変更した場合に提出される「大量保有報告書」や、空売りの状況を示す報告書なども要チェックです。
4.イベント前後（決算・株主優待・分割など）
決算発表や株主優待の権利確定日などでは、「材料出尽くし」の売りや「思惑買い」が集中し、需給が大きく動くことがあります。
初心者が「需給の見方」を身につけるコツ
需給の見方は、ファンダメンタルズ分析とは異なり、数字やニュースの“裏”を読む力が求められます。今回は、初心者でも取り組みやすい方法をいくつか紹介します。
チャートの出来高を観察する
出来高（売買高）は、需給を視覚的に捉える重要なヒントです。
出来高が増えて株価が下落 → 強い売り圧力がある
出来高が急減 → 売買が停滞、需給バランスに変化の兆し
チャートを見るときは、株価の動きと出来高の関係に注目するだけで、需給の傾向が見えてきます。
株探やIR BANKなどで信用残・浮動株を確認
投資情報サイトでは、各銘柄の信用買い残・売り残、浮動株比率、機関投資家の動きなどを把握できます。
毎週更新されるので、中期〜短期トレードを行う際の判断材料として活用できます。
プロがなぜ「需給」を重視するのか？
株価は「企業価値」で決まる、という考え方は長期投資においては正しいです。しかし、短期〜中期では「誰が買い、誰が売っているか」という需給の流れの方が支配的です。
・信用買い残が急増 → 将来の売り圧力になる
・株価が大きく上がった → 利益確定売りが出やすい
・個人投資家が群がっている → 天井になりやすい
上記のように、人の行動心理＝需給の読み解きが、売買タイミングの判断に直結するのです。
需給だけに頼らず、総合判断を意識しよう
需給は短期的な株価の動きには大きな影響を与えますが、それだけを根拠に投資判断をするのは危険です。
最終的には、以下のような要素を複合的に見て判断することで投資判断の精度を高めることができます。
☑トレンドやサポートラインなどのテクニカル分析
☑需給
【まとめ】需給を理解することで「なぜ今下がる？」の疑問が解ける
株式投資で初心者がつまずきやすいポイントの1つが、「業績が良いのに株価が下がる」という現象です。
これは基本的に需給の影響であり、需給の流れを理解することで投資の視野が大きく広がります。
需給の変化を完璧に予測するのは難しいですが、情報を集めてヒントを読み解く力をつけることで、投資判断の質が向上します。
「今、この株は買いが優勢なのか？売りが多いのか？」
こうした視点を持つことで、チャートやニュースがまったく違った景色に見えてくるでしょう。
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